超海洋深層水2000年の旅
南極・北極付近では、海水が0度近くに冷やされ、表層水が凍り始めています。氷点の違いから凍るのは純水だけで、凍らずに残された海水は塩分濃度が高い「重い」海水となっていきます。この重い海水は「プルーム」と呼ばれる直径1q程にもなる柱のような流れ(下降流)となって、水深4000メートルを超える深海まで一気に沈み込み深層水となのです。
深層水となった、この重い海水は、数千メートルの海底を絡みつくように流れ(「深層流」と言われています)、一度も大気と触れることなく、実に約2000年もの悠久の時を経て、大西洋からインド洋、さらには太平洋までの5万kmの旅を経て、「ハワイ島コナ沖」で一気に湧き上がります。
北太平洋に位置するハワイ島・コナ沖は、4000年もの年月をかけて地球を循環するという「海洋大循環」を起源とした深層水が表層へと一気に湧き上がってくる世界に類のない、条件の良い湧昇域と言われています。
この場所に、世界最大の海洋深層水研究機関NELHA*(ハワイ州立自然エネルギー研究所)が採水パイプを水深約1000メートルまで延ばし、極めて清浄で良質な海洋深層水をくみ上げています。